TOKYO SUKIYA LOVE STORY (3.5)

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今回は番外編です。読み飛ばしていただいても、本編の進行には影響しません。たぶん。

『TOKYO SUKIYA LOVE STORY』 が初めての方は ↓ をお先にどうぞ。

ACT1  ACT2  ACT3

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唐突すぎる出会いを経て、何だかんだで

すき家で共に過ごす夜が増えていく、ふたり。



ふたりの距離感は、とても近いようで、でも、

決して縮まってはいない。



それを互いにどう感じているかは

フタを開けてみなきゃ、分からない。

できることなら、開けて確かめたい。

互いの中身が同じかどうか。



でも、今は……開けないでおこう。



だって、互いの中身が違えば、

ふたりは、もう、ふたりでいられないから。



いいじゃない。

確かめなくたって。

だって、今こうして

ふたりがふたりでいられるってこと、



壊したくない。





――TOKYO SUKIYA LOVE STORY.















ACT3.5:ねぇ、知ってる?







***





「ねぇ、知ってる?」

「知らない。」

「……まぁ、まずは聞きなさい。お嬢さん。」

「…………。」

「23区でね?」

「うん。」

「すき家が一番多いとこ。どこでしょう。」



「…………大、田区?」

「ほう、そのココロは。」

「そのココロは……無駄に広い。」

「無駄言うな。でも正解。」

「いくつあるの?」

「20店舗でダントツトップ。」

「ふーん、あんだけ広けりゃねー。」



「じゃあ、2位と3位は分かる?」

「そりゃあ、この流れで行ったら、世田谷、練馬……。」

「残念。その流れはもう来ない。」

「じゃあ無理。どことどこ。」

「あきらめ早ぇな。港区と江東区。」

「えー? どっちが2位?」

「どっちも16店舗で2位タイ。」



「何か意外。」

「そう?」

「何でまた港区と江東区?」

「……俺個人の推察だけど、港区なのは、」

「うん、」

「ゼンショーが港区にあるから。」

「ゼンショーって?」

「すき家の運営会社。」

「なるほど。じゃ、江東区は?」

「それはズバリ、」

「ズバリ、」

「港区の近くに、あるから。」



「……へっ。」

「笑うな。しかも鼻で笑うな。」

「だって、そこまで近くないじゃん!」

「るっせぇよ! もういい、次の問題!」

「話題変えた~。」



「ねぇ、いいから。聞いて?」

「はいはい、今度は何?」

「すき家がある外国。」

「えー?」

「3国。」

「まさかのグローバル?」

「えぇ。」



「まぁ、とりあえずは……中国?」

「はい、あるね。」

「あとは……アメリカ? 韓国?」

「あー、そういう発想だと絶対当たんない。」

「またー? なに、どことどこ?」



「タイとブラジル。」

「嘘。」

「俺嘘つかない。」

「嘘。」

「うん、嘘。けど、タイとブラジルはガチね。」

「まじでー? 日本の裏側行っちゃう?」

「行っちゃうね。」



「すごいねー。」

「だろ? すき家はネ申。」

「じゃなくて、」

「え?」

「あんたが。」

「俺? なんで。」

「だって、すき家のこと知りつくしてる。」

「知り "つくして" は、なくない?」

「でも、ブラジルにすき家があるって知ってんの、

ゼンショー社員と、一部のブラジル人と、あんたくらいじゃん?」

「そーかね。」

「そーだよ。」



「まぁ、ね。俺すき家が好きだから。」

「ホンット、好きだよね。」

「お前は?」

「え?」

「お前は、好き?」

「……すき家のこと?」

「もちろん。」

「……まぁ、最近は、好き……かな。」










「うん、俺も、好き。」










「…………すき家のこと?」

「……もちろん。」

「知ってる。」

「だろうね。」










「…………。」

「えーと、何で聞いた?」

「…………。」

「しかも2回。」

「…………。」

「ねぇ、何で、聞いた?」

「…………。」

「ねぇ、豚汁飲んでないでさ、ねぇ。」










「あーーーー!! うるさい! ねぇねぇうるさい!!」










「?! なんだよ。俺悪くねぇし。」

「…………。」

「豚汁飛んでるし。」

「…………。」

「うるさいのそっちだし。」

「……ごめん。」

「まぁ、いつものことだけど。あー、豚汁うめぇ。」









***




ほんと、うるさいのは、こっち。

今だって、まだ、がんがんばくばく。

まぁ、いつものことだけど。

いつものことだけどさ……。



ねぇ、

豚汁飲んでないでさ、

ねぇ、



知ってる?










※この記事に掲載のすき家情報は、すき家ならびにゼンショーグループ企業の
公式サイトを参照としており、内容は2012年10月07日時点のものとなります。
が、あくまでイカの目視確認なので、もしかしたら色々間違っているかもしれません。ご了承ください。

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by ikako_pa_rara | 2012-10-08 00:33 | Fiction.
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勢いで上京した人の自堕落な追憶
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